『かさぶた と タトゥー』/【コメント小説】 [コメント小説]

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【実験小説サロン】/『爪屋』
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【かさぶた と タトゥー】

タトゥー2.jpg

誰か、 聞いてください。
昔、変な女の子がいたんです。

いつも古い神社の裏山で
遊んでいたんです。

””陽が落ちるまで””

いつも”かさぶた”つくって
治りかけた頃、はがして

食べてたんです

男の子たちが はやしたてます。
や~い へんなの 不味いぞ

だって、命の味がするんだもん。

きっと 自分の体に痛みを与える事
自分の一部を食べる事って、どこか
へ~生きてるんだ って
そんなんだったと思います

男の子もほんとは
一人の時は ”食べてたんです”
誰にも見つからないように

いつのまにか
”かさぶた”食べなくなりました。
そして
少年 少女 じゃなくなりました。

その変な女の子は 今
屋根裏部屋で
刺青師をしてます。

タトゥー2.jpg

そして、お客の男の顔は
どこか見覚えのあるんですが・・・
遠い昔、どこでだったか・・・

そのときも
今と同じように 
蝉の声が聞こえていたようにかんじます。

でも私にはわかりません、いつまでも
さあ、もう一仕事
””陽が落ちるまで””
 
    ・終・  

タグ:実験小説家
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